「紙の記憶」工房のご紹介
当工房では、紙の原料である楮(こうぞ)の栽培から、収穫、皮掻き、叩解(こうかい)、紙漉きまで、手漉き和紙本来の工程を大切に受け継いで、和紙の製造・加工をおこなっています。
長野県内の主に北信地域の雪深い山々で、古くから育てられてきた楮は、雪の降り積もったよく晴れた日に、雪の上に楮を広げて太陽光に晒す「雪晒し(ゆきざらし)」という工程を経ることで、楮の繊維が白くなり、紙に漉いたときに、強く丈夫な紙に仕上げることができます。
当工房では、全ての工程が手作業であり、天然の繊維を漉き込んでいるので、一枚一枚の紙の風合いには個性があります。
唯一無二である一枚の和紙から、古くから伝わる「紙の記憶」を辿り、和紙の奏でる風合いをお楽しみください。
現在はオランダに拠点を移し活動中。
日本の伝統を生かしつつヨーロッパの生活に合ったWashiをご紹介します。
〈紙の記憶〉
雪に触れた紙は
強くて 美しい
自然の力にはぐくまれたものは
あたたかく 優しい
紙漉きから伝わる
この記憶
かつて「神」と崇められ
大切に作られ使われてきた紙
日本人は千年もの間
日本固有の和紙を漉き続けてきました
その伝統と技術を 私たちの未来に残していくことは
手仕事の内側に宿る「こころ」を伝える
大切なことだと信じます
野山に自生する楮を原料に
天からの恵みである雪に晒し
強くて美しく生み出される和紙
自然の力に育まれて
人の手で一枚一枚漉かれた和紙が
現代の暮らしになじむものであるために
和紙の可能性を日々探求しています。